とくよしみねの「なぜ生きる」

「私はなぜ生きるのか、何のために生まれてきたのか、どこに向かっているのか、そして、どう生きるべきなのか」これらの問題について仏教および浄土真宗を基に気ままに思いつくまま書きます。  mail:aim_in_life(アットマーク)hotmail.co.jp

鳩摩羅什(クマラジュー)様

鳩摩羅什(クマラジュー)様は西暦三四〇年代の方で、亀茲国(きじこく、中国 新疆ウイグル自治区庫車(クチャ)県)の生まれです。

キジル石窟の広場に最近建てられた銅像がありますが、頭脳明晰はもちろん大変な男前だったようで後秦の姚興(ヨウコウ)皇帝に自分の国に留め置くために無理矢理、女犯(ニョボン)させられ還俗されたと言われています。

 

鳩摩羅什様は阿弥陀経などの経典を翻訳され、その後、西遊記で有名な玄奘様が現れますが、鳩摩羅什様を最初のいわゆる三蔵法師と言われます。

三蔵法師とは、仏教の経蔵(経典の内容)・律蔵(戒律などの戒め)・論蔵(経典につて解釈された論)の三蔵に精通した僧侶(法師)のことを言われます。

 

私は以前、このキジル石窟に行ったことがあります。

そこで鳩摩羅什様とお目にかかることが出来ました。中国の中でも本当に北の方で砂漠を越えたとんでもないところでした。

昔は沢山の日本人が訪れていたようで、敦煌のホテルの壁には竹下元首相が訪れた写真がありました。しかし最近は、日中関係が悪化したりウイグル族への圧政のせいで少なくなっていると現地の通訳が言っていました。

私はシルクロードのオアシスとして栄えた敦煌莫高窟に行きたくて行ったのですが、そこを中心としたツアーの中にキジル石窟がありました。

中の仏像や壁画は素晴らしいものでしたが、残念なことに二〇世紀初頭のドイツの探検家によってほとんどの仏像や壁画(はがして)を持ち去られたとのことで無残な石窟が沢山ありました。

中国で仏教が衰退しイスラム教などに変わったり、共産主義が跋扈したことにより仏教美術などは残念な結果になっていますが、最近中国は外貨獲得のためこれらの遺跡を発掘し整備を進めているようです。

 

旅行ガイドはこれくらいにして、鳩摩羅什様の人生を教えて頂いたとき、とんでもないなと思いました。

中国からインドに渡り原始仏典を集め、中国に持ち帰りそれを翻訳する一生なのです。だいたい、中国からインドに行くのにどうやって行ったのかその行程を調べたらとんでもない冒険なのですから。インドに行く途中でお供の者がいなくなったり、崖から落ちたりで尋常な旅ではありません。

本当によくやられたものだと感心せずにおれません。また、その後翻訳が終わるとすぐに命が終わられるのですから、何のために生まれられたのかと言えば仏教を中国に伝えんが為に生まれられた一生だったのです。そして、そのおかげで今私達が仏教浄土真宗に出会うことが出来ているのです。

これ以上のお陰様はありません。もし、地球上にお釈迦様がお生まれになられなかったら、その後の高僧達がお生まれになられなかったら、私が救われる教えは絶対にありません。

何のために生まれ、何のために生きるのかを知らずに、ただ、生きて死ぬ犬や猫と同じなのです。

お陰様(ご縁)、これは本当に有り難い事で、ようこそようこそ私に届いてくださいました。

南無阿弥陀仏阿弥陀経に沢山書かれています。顕彰隠密、阿弥陀経にも一八願のお心がしっかりと流れていることを親鸞聖人から教えて頂いています。

鳩摩羅什様のお陰で私が今、阿弥陀仏様と出会うことが出来るのです。

 

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

 

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