不飲酒とは文字どおりお酒を飲んではいけないと御釈迦様の教団内で決められた戒律の一つで、その後あらゆる仏教教団で採用されて行きました。
もともとの経緯は以下の通りです。
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世尊は支提国(しだいこく)に遊行してバッダヴァティカーに行こうとされた。
村人は世尊に、アンバティッタには螺髻梵志(らけいぼんじ)の庵に毒牙をもった龍がいるので行かないようにと言った。
世尊は黙然として遊行されて、バッダヴァティカーに到着された。
その時、サーガタはアンバティッタの螺髻梵志の庵に行った。
龍は火を吐いたが、サーガタも火焔三昧に入って火を吐き龍を調伏した。
世尊はバッダヴァティカーに随意の間住されてから、コーサンビーに向かって出立された。
コーサンビーの優婆塞(うばそく)たちは「尊者サーガタは龍と戦った」と聞いて、世尊を歓迎してサーガタのところに行き、「何ものが得難くて好ましいですか、私たちは何を調えましょうか」と言った。
六群比丘(ろくぐんびく)は「カーポーティカーという酒は純浄にして、得難く好ましいものである。これを調えよ」と言った。
そこでコーサンビーの優婆塞たちは家ごとにカーポーティカーを用意して、乞食に来たサーガタにこれを飲ませた。
そこでサーガタは町から出るとき門口で倒れた。
世尊は多くの比丘と一緒に町を出るとき、倒れているサーガタを見いだし、僧園に持って帰った。
サーガタは寝返りを打って、世尊に足を向けた。
そして世尊は「スラー・メーラヤ酒を飲むは波逸提(はいつだい)なり」と制せられた。
VinayaPAcittiya051(vol.Ⅳp.108)
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龍が火を噴いて住民を困らせていたので、サーガタ尊者が神通力で龍を退治しました。
そのお礼に何か供養したいと住民が言いました。
サーガタは断ったのですが、六群比丘が珍しい酒があるそうなのでそれを供養して欲しいと頼みました。
サーガタは供養を受け倒れ、釈尊が連れて帰ってもそのままぶっ倒れて仏に足を向けて寝ていたと言うことです。
酒を飲みすぎて倒れたということです。
どれだけ神通力があろうが酒に酔っては、その力が働かなくなってしまうのです。
ここで六群比丘というのが出てきますが、この人達は教団内の不良な人たちのことです。
教団にいながら戒律も守ることが出来ずに煩悩に流されている人のことです。
この六群比丘に誘いに乗ってしまったということです。
個人的には不覚にも先日、記憶が途切れるくらい飲んでしまい何を言ったか半分くらいしか覚えていませんでした。
そこまで酔っ払うのはなかなか珍しく恥ずかしい想いをしました。
誰にも誘われたわけでなく自ら行ってますので、六群比丘と同じです。
そんなんでとても仏教者とは言えないですね。
浄土真宗でなかったら、阿弥陀様でなかったらとても私などは救われる手立ては無かったでしょう。
酒は飲んでも、飲まれるな
当たり前のことが出来ていません。