とくよしみねの「なぜ生きる」

「私はなぜ生きるのか、何のために生まれてきたのか、どこに向かっているのか、そして、どう生きるべきなのか」これらの問題について仏教および浄土真宗を基に気ままに思いつくまま書きます。  mail:aim_in_life(アットマーク)hotmail.co.jp

五戒をたもてる功力

静かにおもんみれば、それ、人間界の生をうくることは、まことに五戒を
たもてる功力によってなり。これおおきにまれなることぞかし。

御文章二帖目第七通

 

今、私は人間に生まれています。

蓮如上人の御文章によれば前生において五戒を保ったお陰で今人間に生まれていると言われます。

では、私は前生において五戒を本当に保ったのか考えてみたいと思います。

まず、五戒とは何か、wikiより引用します。

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五戒(ごかい)とは、仏教において女性・男性とを問わず、在家の信者が守るべきとされる基本的な五つの戒のこと。
不殺生戒(ふせっしょうかい) - 生き物を故意に殺してはならない。
不偸盗戒(ふちゅうとうかい) - 他人のものを故意に盗んではいけない。
不邪婬戒(ふじゃいんかい) - 不道徳な性行為を行ってはならない。
不妄語戒(ふもうごかい) - 嘘をついてはいけない。

不飲酒戒(ふおんじゅかい)   - などを飲んではいけない。

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これらを保つことにより人間界に生まれたとすると六道の内でこれを保つ世界はどこにあるのか。

上から順番に考えてみます。

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天道 

天道は天人が住まう世界である。天人は人間よりも優れた存在とされ、寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないとされる。また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごすといわれる。しかしながら煩悩から解き放たれておらず、仏教に出会うこともないため解脱も出来ない。天人が死を迎えるときは5つの変化が現れる。これを五衰(天人五衰)と称し、体が垢に塗れて悪臭を放ち、脇から汗が出て自分の居場所を好まなくなり、頭の上の花が萎む。

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天人は悟りを開いてはおらず、煩悩から解放されていない。悟りを開いたものは仏陀であり、輪廻から解放され六道に属さない涅槃(浄土、極楽)へと行くと言われていますので、五戒を保てる人もいるかもしれませんが、ほとんど保てないない世界だと思います。また、仏教の教えが無い世界ですので五戒とは無縁の世界でしょう。

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人間道

人間道は人間が住む世界である。四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界であるが、苦しみが続くばかりではなく楽しみもあるとされる。また、唯一自力で仏教に出会える世界であり、解脱し仏になりうるという救いもある。

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人間界はご存じのように悟りを開くことが出来る世界ですので、五戒を保つことは出来る世界と考える事が出来ます。ただし、ほとんどの人が五戒を保てない世界でしょう。

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修羅道

修羅道は阿修羅の住まう世界である。修羅は終始戦い、争うとされる。苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結するところが大きい世界である。

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修羅道は言葉の通り争う世界ですので、殺生は間違いなくあるでしょうから、この世界では五戒は保てません。

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畜生道

畜生道は牛馬など畜生の世界である。ほとんど本能ばかりで生きており、使役されなされるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ない状態で救いの少ない世界とされる。他から畜養(蓄養)されるもの、すなわち畜生である。

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この世界は、五戒を保つと言うよりは、五戒をすることがない世界だと思います。

ようするに保つでは無く、五戒をしない世界、結果的に五戒を保ったことになる世界だと思います。

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餓鬼道

餓鬼道は餓鬼の世界である。餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされる。他人を慮らなかったために餓鬼になった例がある。旧暦7月15日の施餓鬼はこの餓鬼を救うために行われる。

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この世界も食べ物のために殺生や偸盗をするかもしれない世界と言えますので五戒を保つことは出来ないかもしれません。

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地獄道

地獄道は罪を償わせるための世界である。

苦しみに責め立てられる世界。

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苦しみに責め立てられる訳ですので、五戒を間接的に保つことが出来ることになります。要するに苦しくて五戒とは関係ない世界と言えるでしょう。

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以上から推察するに、私は人間道、畜生道地獄道にいた可能性がありますが、人間道に仮にいたとしても、今でも五戒を保っていないのに以前は保っていたなどと思うのは大きな自惚れでしょう。

個人的には、やはり畜生道地獄道から今回人間道に生まれさせていただいたのかなと思います。

そして、今生でも五戒を保っていませんので次に生まれる世界は人間道以外になりますが、阿弥陀様のお陰で、さあ、どこに生まれさせていただけるでしょうか?

 

 

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